7月
『慈愛の連鎖』
6月中旬の出来事です。お迎えの時間がほぼ終わったころ、ある保護者から「自転車のカギの落し物はありませんでしたか。」と尋ねられました。事務室に届いていなかったので、「どこに自転車を止められましたか。捜しましょう。」と伝えました。その時、周りに8人ほどいた男女の園児たちが、「一緒に捜します。」と言って駐輪場の方へ駆け出していきました。側溝の鉄製の重い蓋を持ち上げたりしましたが、鍵は見つかりませんでした。一人の園児が「この先にも駐輪場があるので、そこに行ってみよう!」と言うと、「行こう、行こう!」と再び駆け出しました。皆が捜していると、幼稚園の方向から一人のお母さんが「あったよ!」と叫びながら走って来られました。幼稚園の近くで発見したとのことでした。園児たちの「困っている人を助けようとする純粋な心」に天の神様が力を貸して下さったかもしれません。この学園では、鍵だけでなく、先ほどまで一緒だった親子が、不意にはぐれてしまうことも時々起きます。自然が豊かで心が安らぐ環境の中にいると、緊張感が薄れがちになるのでしょうか、幼稚園も保護者もお互いに油断しないよう気を付けてまいりましょう。
6月24日、麗澤高校が交換留学を行っているオーストラリアのTLC(Trinity Lutheran College)の高校生13名が来園しました。園児たちは遊戯室で、英語の授業で習った「Head, shoulders, knees, and toes」を高校生たちと一緒に手を動かしながら楽しく歌いました。続いて年長さんたちが歌った「ともだち賛歌」には大きな拍手が起き、心のこもった歓迎会となりました。その後、高校生は3つのグループに分かれて年中の英語、年長の自由遊びに参加しました。年長組で行われていた七夕の笹飾りの制作はTLCのお姉さん達に好評で、その作品を思い出にと持ち帰りました。言葉の壁を少しも感じさせない楽しい交流になったのではないかと思います。 6月最大の行事は、6月18日~20日に行われた学年別の父母の日参観・懇談会でした。ご多用の中、ご出席ありがとうございました。遊戯室での親子のふれあいは、どの学年も大きな声がひびき渡り、笑顔と活気で満ちあふれていました。しかし、「ありがとう パパ・ママ」の曲が流れ始めると、一瞬にして空気が変わり、心を込めて歌う子供たちの顔をじっと見つめる保護者の目には涙が浮かんでいました。そして子供から手渡されたお父さんとお母さんの似顔絵が入ったプレゼントは、何ものにも勝る宝物となったのではないでしょうか。そして、この喜びを保護者の処で留めないで、友人や両親と共有することが出来れば、その喜びは倍になって保護者に戻り、慈愛の連鎖が生まれるのではないでしょうか。
園長 竹政 幸雄
保育のねらい
[年少組]
- 暑さに負けず元気に遊び、体を動かす。
- 活動に期待を持ち、意欲的に行動する。
[年中組]
- 身近な動植物に好奇心をもってかかわり、命あるものとして大切にする気持ちを育む。
- 1学期を振り返り、出来るようになったことに目を向け、自信をもつ。
[年長組]
- 周りに目を向け、集団生活でのルールや配慮に気づき、自ら行動する。
- 友だちと協力しながら何事にも挑戦し、最後まで諦めずに取り組む。
今月の徳育
[年少組]
- 相手にも気持ちがあることを知る。
[年中組]
- 言葉が人の気持ちをあたたかくすることに気づき、友だちとの会話を楽しむ。
[年長組]
- 野菜の栽培活動を通して、育てることの大変さや収穫の喜びを知り、命をいただくことに感謝の気持ちを持つ。