園だより:2021年12月
『奇跡を起こす、池江流子育て』
廣池千九郎記念講堂周辺の真っ赤なもみじや、「さくら」そばの楷の木もオレンジや赤色に染まり始め、思わず見とれてしまう見事な紅葉の学園です。先日は発表会の練習の合間に美しい紅葉の下まで出かけ、満面の笑顔で落ち葉と戯れた子ども達です。
11月10日からの産経新聞に、白血病を乗り越え、今夏の東京五輪に出場した競泳日本代表の池江璃花子選手のお母様のコラムが連載されています。池江選手は、白血病を乗り越えるだけでも大変なところを、退院後3ヶ月目にやせ細った体でプールに入り、それから1年1ヶ月後には日本選手権に出場し、100メートルバタフライで優勝をしました。池江選手は幼少時より失敗を恐れずポジティブな性格でしたが、そんな彼女をお母様は単なる自己中心的な強さではなく、生きるための正しい強さを持った子に育てるのは親の務め、と自覚され、5歳時よりスイミングスクールの水泳大会に出場させました。それは単に結果を求めるのではなく、親がかばったり守ったりできないところで様々な経験を通して成長してほしいとの願いからだそうです。「子供の歩いていく道は優しい道ばかりではありません。歩きやすいように親が砂利や小枝をどけてやったり、先回りをして楽な方を教えてやってばかりはできません。自分で決めたことを決して諦めず、転んだら自ら立ち上がり、真っ暗で孤独なトンネルに入っても出口を探し続け、粘り強く歩き続けられるようにしなくてはいけません。」そんな信念で子育てをされた結果、『白血病を患った時、どんなにつらい困難にも決して腐らず、決して折れず、治る明日を信じて、懸命に生きる姿勢を娘に見ました。それは長年娘に教え、育ててきた「強さ」だったけれど、まさか絶体絶命の場で見ようとは…。「あなたならできる。あなたにはまだ使っていない素晴らしい力がある」と常に前向きに「できる」というイメージをもたせてきたけれど、そう言われ続けてきたからこそ、ここ一番の場面で潜在能力を引き出し、誰も予想できなかった100メートルバタフライ優勝となったのではないか』と書かれていました。「真の強さ」を育てる池江流子育て、そして「あなたならできる」と常に言葉をかけ続け、「自分を信じる力」を育んできた子育てに、大いに感銘を受けました。ぜひ、真似をさせていただきたいと、強く思いました。
いよいよ今週末は発表会です。これまでの練習成果を十二分に発揮できるよう、「あなたならできる」と励ましつつ、本番を迎えたいと思います。
園長 岡田 喜
保育のねらい
[年少組]
- 表現する楽しさを感じながら、舞台に出て発表しようとする。また他クラスの発表を鑑賞し、物語の世界を楽しむ。
- 正しい手洗いの仕方を確認し、意識して風邪の予防をしていく。
[年中組]
- 自分の役割に責任をもち、クラスの皆で協力しながら、演じる楽しさを味わう。
- 季節の移り変わりに目を向け、自然の不思議さや生命の尊さを感じる。
[年長組]
- 協力して作り上げた作品を自信をもって披露し、達成感や満足感を味わう。
- 身近な自然とふれあい、季節の移り変わりを楽しむ。
今月の徳育
[年少組]
- 1年間、元気に過ごせたことに感謝の気持ちをもつ。
[年中組]
- 1年を振り返り、支えてくれた人に感謝の気持ちをもち、伝える。また新しい年を迎えられる有難さを感じる。
[年長組]
- 友だちの良いところに目を向け、認め、言葉で伝えようとする。
- 家族や周りの人々の支えがあることを知り、感謝の気持ちを伝える。