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園だより:2016年12月

園だより

『2学期の終わりによせて』

 先月のことになりますが、子ども達に慕われたうさぎのすずちゃんが、降園後に眠るように天寿を全うしました。幼稚園に来て10年以上になりますので、人間の年齢に換算すると100歳は過ぎていたかと思われます。うさぎの寿命は6、7年といわれますのでかなりの長寿です。こんなに長生きだったのは、活気に満ちた園舎の中で、子ども達にたくさんの愛情を注いでもらったからでしょう。幸せな生涯だったことと思います。4月当初、お母さんと離れて大泣きする新入児たちは、みんなすずちゃんのそばへ。何人の子ども達が心を癒され、笑顔にしてもらったことかしれません。

週明けの月曜日、すずちゃんが天国に逝ったことを知った子ども達の驚きは大きく「寂しい。もっと一緒に遊びたかった。」と涙を浮かべている子もいました。クラスごとに、お花に囲まれたすずちゃんのお墓に行き「一緒に遊んでくれてありがとう!天国から私たちのことを見守っていてね!」と手を合わせました。100歳を過ぎたおばあちゃんだったことを伝えると「すずちゃんは、みんなのピンクのハートのお蔭で長生きができたんじゃない?」という子も。「今頃は、天国で遊んでるかなあ。」「僕のおじいちゃん、この間天国にいっちゃったから、すずちゃんと遊んでるかもしれない。」「僕も天国に行ったら、またすずちゃんと遊べるかなあ。」など色々な思いが聞かれ、子ども達にとってどれほど大きな存在であったかを、改めて感じたすずちゃんとのお別れでした。

あの日以来、いつも誰かがすずちゃんのお墓の前で手を合わせ、お花やにんじんなどをお供えしてくれています。子ども達一人ひとりにこんなにも優しく温かい心を育んでくれたすずちゃんに、心から感謝し手を合わせたいと思います。

今年も、あと10日程で新年を迎えます。大掃除をして門松を立てる、おせち作りをして鏡餅を供える、初詣に行く、お雑煮をいただく…。こうした一連のお正月行事は、新年の神様である「年神様」を家に迎え入れ、もてなして見送り、心を新たにするための行事として、古来より大切にされてきました。また、年神様は新しい年の幸福や恵みと共に、私たちに魂(生きる力、気力)を分けてくださる、と考えられてきました。この年神様を迎える準備を、ぜひお子様と楽しみながら行い、その中で日本の伝統や先人の想いを伝えていただけたら…と心から願っています。

 心身共に大きな成長がみられた2学期でしたが、今日で無事に終えられますのも、保護者の皆様のご協力があったからこそと、心より御礼申し上げます。どうかご家族お揃いでよい新年を迎えられますよう、お祈りしております。                     園長 岡田 喜