園だより:2018年11月
『年少からの積み重ねが、大きな心の根っこに』
澄み渡った青空の広がる季節を迎え、記念講堂近くの紅葉も色づき始めました。子ども達が、頑張る心を大きく膨らませた運動会から、はや1ヶ月近くたちました。先日発行された父母の会だよりには、運動会を終えてのお母様方の熱いメッセージが寄せられ、大張り切りだった子ども達の姿を、昨日のことのように思い出しました。運動会を終え、園庭では氷鬼などの鬼ごっこやリレーが大はやり。どの子も走る心地よさを体験し、走ることに自信をもった様子です。疲れた様子を全く見せることなく、エンドレスに走り続ける姿に、体力がついたなあと感心しています。先日初めて開かれたラグビー体験教室でも同様で、ラグビー場に足を踏み入れた途端、年少児たちも蜘蛛の子を散らすがごとく勢いよく走り出していきました。体力がつき、広大な開放感ある緑のじゅうたんを目の前にして、そうせずにはいられなかったのでしょう。満面の笑顔でしっぽ取りや、タグラグビーを楽しんでいた姿が忘れられません!
年長組は運動会後に、バス遠足として筑波山登山にも挑戦しました。877mある筑波山は、小学校3~4年生の登山コースです。登山道の後半はかなり険しい岩山で、手には軍手をはめ、よじ登りながらの登頂でした。「ここに足を置くと歩きやすいよ。」と優しく声をかけたり、先頭のほし組が後ろから登って来るつき組に「頑張ってね!」と大声で呼びかけたりと、大変な中でもお互いを気遣いながら登る優しさを目にし、心の成長を感じると共に疲れも吹っ飛びました。2時間半あまりかけ、辿り着いた山頂からの眺めの、なんと素晴らしかったこと!下山後に食べたお母さんのおいしいおにぎりと共に、忘れられない思い出となったことでしょう。
登頂できた達成感が大きな自信となったようで、翌日から年長児の顔つきが変わりました。これまでチャレンジの塔オッピーに意欲を示さなかった女児たちが挑戦し、次々とチューブスライドから滑り降りる快感を味わい始めたのです。“やればできる”という自信を得た年長児たち。次は12月初めの発表会に向け、オペレッタ作りに挑戦です。クラス全員でイメージを共有しながら工夫を凝らし、協力して1つのものを作り上げる充実感を味わうことでしょう。
年長時に大きな成長が見られるのは、年少・年中時からの体づくりや経験が積み重なり、大切に育んできた心の根っこが年長になって大きく伸びてくるからです。日々の経験や心の葛藤さえも、その子の全人格的な成長に繋がるかと思うと、子ども達との毎日がより愛おしく、丁寧に関わっていかなくてはと、心から思います。
園長 岡田 喜
保育のねらい
[年少組]
- 発表会に向けて、友だちや保育者と一緒に楽しんで練習に取り組み、表現する喜びを味わう。
- 立腰の大切さを知り、意識して姿勢を正そうとする。
[年中組]
- 発表会の活動を通して、みんなでひとつのものを作りあげていく楽しさや、友だちと一緒に表現する楽しさを味わう。
- 秋の自然の中で友だちや保育者と一緒に、身体を動かす。
[年長組]
- 友だちと協力し合いながら最後までやり遂げる経験を通し、充実感や達成感を得る。
- ルールの意味を考え、大切さを改めて理解し、自分の気持ちを調整していこうとする。
今月の徳育
[年少組]
- 自分がしてもらって嬉しかったことを、周りの人にしようとする。
[年中組]
- 友だちを気遣い、思いやりの心を持って接しようとする。
[年長組]
- 周囲の気持ちや状況を考えて行動する。