園だより:2019年11月
『実りの秋は成長の秋』
10月22日、天皇陛下の即位を国内外に宣明する「即位礼正殿の儀」が、国内外の賓客が参列し、皇居で行われました。陛下は、「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。」とお言葉を述べられました。年長組は記念館見学の折に、玉座である「高御座」の模型や、即位礼に着用される装束の複製などを目にしていたこともあり、関心をもってテレビ報道を見た様子でした。ご家族で万歳三唱をした園児もいたようです。ご即位をお祝いするとともに、陛下や皇后陛下の御心を私達国民もしっかりと受け止め、令和の時代を歩んでいきたいと、心から思いました。
幼稚園でも子ども達が、実り豊かな秋にふさわしく見事な成長ぶりを見せてくれています。先日、朝の園庭に出ると年少組男児が、「園長先生、よ~いドンしよう!」と、ニコニコ顔で駆けてきました。私は「負けないよ~!」と答え、桂の木から年長組手洗い場まで競争しました。到着すると「もう1回!」と折り返しの競争です。何往復したでしょうか。「もう1回!」の言葉が終わらないのです。初めての運動会を通じて走る楽しさを知り「速く走れたね。」と褒められ自信をつけたのでしょう。嬉しそうに走り続ける男児の姿に、息を切らしつつも私は、喜びでいっぱいになりました。
年長組の筑波山登山では、小学校3年生の遠足コースである険しい岩場の登山道を、誰も弱音を吐くことなく「楽しかった~!」と登りきりました。中には、初めての登山体験に戸惑い、足が進まない子もいましたが、登り方のコツを丁寧に伝えながら励ますうちに慣れてきて、最後は険しい岩場を果敢に登っていく姿に、感動しました。翌日、「今度はもっと高い山に挑戦してみたい!」と、ひと皮むけた逞しい表情で言ってきたのには驚きました。これから先、どんな難関に出会おうとも、あの岩場を自分の力で登り切れたという体験が、子どもたちの心を励ます自信になることでしょう。
10月下旬のさつま芋掘りは、雨上がりの堅い土に悪戦苦闘でした。まさに、雨降って地固まるとは、このことです。それでも「この根っこの先にお芋があるはず。」と、諦めないで掘り続ける年中児の姿は感動的でした。やっと掘り出したお芋は小さかったのですが、宝を掘り当てたように満面の笑みを浮かべ、収穫の喜びを満喫しました。
実りの秋を迎えた子ども達が、次なる目標「発表会」に向け、また一段と大きく成長する姿を楽しみにしつつ、心からの声援を送って参りましょう。
園長 岡田 喜
保育のねらい
[年少組]
- 友だちと一緒に表現する楽しさを味わう。
- 友だちや保育者と一緒に遊びながら、秋の自然を感じる。
[年中組]
- 発表会に向け友だちと表現する過程を楽しみながら、1つのものを作り上げる充実感を味わう。
- 探求心を持って秋の自然に触れ、考えたり発見することを楽しむ。
[年長組]
- 共通の目的に向かって、協力しながら活動を進めていく。
- 友だちと話し合いながらイメージを広げ、表現することを楽しむ。
今月の徳育
[年少組]
- 保育者と一緒に友だちの良いところに目を向け、感謝の気持ちを伝える。
[年中組]
- こころの磁石について知り、良いものを引き付けるピンクのハートを大きくしようとする。
[年長組]
- 自然の恵みを大切にしてきた日本について知り、感謝の気持ちを育む。